歴代の皇后も参拝。全国でも珍しい女性守護の神社「いちひめ神社」
古くから多くの神社・仏閣が建立されてきた京都。その中でも「女人守護」に関しては最高のご利益があると有名な神社が京都市下京区にある「市比賣(いちひめ)神社」です。
795年に創建されて以降、歴代の皇后陛下もご崇敬されてきた由緒正しい神社ですが、実は京都駅から徒歩圏というアクセスの良さと、願いが一つ叶うというお人形「姫みくじ」が女子の間で大人気になっているのだとか。
最高のご利益?『いちひめ神社』(京都市下京区)
四条大橋から河原町通りを下って五条通りに出て、さらに京都駅方面へと下っている途中に目に飛びこんできたのが「女人守護」の文字。
女人守護!?
2017年のNHK大河ドラマは柴咲コウ演じる女人武将・井伊直虎が主人公だっただけに「女人」は今年のピンとくるキーワードかも。
その神社の名は「市比賣(いちひめ)神社」。
女子たるゆえ、この社にお参りしてお守りをしっかり祈願せねばなるまい。
そう思い、近づいてみると神社はマンションと思しき建物の1階にあることが判明。意外と現代的です。そして、境内はマンションの中庭風な場所にあり、非常にコンパクト。
歴史も古く、795年に京都の市場の守護神として創建され、1591年に現在の五条の地に移転されました。きっとこの神社がビルとビル間にあるのも「御鎮座」を動かさないという、古くから信仰を集めてきたことに由来するのでしょう。
市比賣神社の御祭神は多紀理比賣之命(たぎりひめのみこと)、市寸嶋比賣之命(いちきしまひめのみこと)、多岐都比賣之命(たぎつひめのみこと)、神大市比賣之命(かみおおいちひめのみこと)、下光比賣之命(したてるひめのみこと)という、5柱の女神様たち。
お祀りされているのが全て女神様とは、女性を強力なパワーで守護していただけそう。この神社は古くから「女性の守り神」とされ、歴代の皇后の御崇敬を集め、時の皇后様が「女人厄除け祈祷」をお受けになられたそう。
こう書くと、男性は境内に足を踏み入れることなく、忠犬ハチ公のごとく、カノジョの参拝が終わるまで、鳥居の外でじっと待っていなくてはならない…と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、男性の皆さん、ご安心ください。
「女性をお守りする神社ですが、男性の方もご参拝されていますよ。女人守護の神社として知られてますが、市場の神様として創建された歴史から、『市場=ビジネス』ととらえ、男性経営者のご祈祷をさせていただくこともあります」と市比賣神社の神職の方は話されます。
なるほど。この神社、女人守護とビジネス面(男女問わず)での成功を御祈祷いただけるようです。
境内に足を踏み入れると御神水「天之真名井(あめのまない)」の井戸が見えます。昔は歴代天皇の産湯にも使ったといわれるこの湧き水をペットボトルにくんで帰る女子の姿もチラホラ。また、井戸の前で手を合わせる女子も少なくありません。実は、この井戸は願いごとが1つだけ叶うといわれる「一願成就の井戸」なのです。